丹波通信1152 解答編 おおげ会 2016.12.5
おおげ会(顧問弁護士の勉強会にて)
忘年会・新年会など飲み会の多い時期がやってまいりました。ありがちな法的トラブルについて,考えてみましょう。
スタート編
Q,店舗に入ると,雨で床が濡れていたために滑って転倒し負傷。お店に責任はあるの?
→損害賠償責任あり。R)安全配慮義務違反。不法行為責任。
Q,「お通し」を頼んでいないのに,「お通し」が出てきた。拒否できる?
→できる。R)客の申込みがなく,契約が成立しない。
Q,「お通し」を拒否できない場合はあるか?
→ある。例,入店時の説明等で「お通し」の注文が義務づけられている場合。R)入店と同時に注文ありとされる。
Q,「お通し」を頼んでいないのに,提供されて食べてしまった場合,「お通し」代の支払いを拒否できる?
→できない。R)承諾したことになるので,契約が成立する。
宴もたけなわ編
Q,飲み会中,スマホの充電がなくなり,お店のコンセントを拝借。これって罪になるの?
→電気窃盗になる(刑法245条)。お店の承諾を得ましょう。
R)無体物(例,熱,冷気,水素など)の中でも電気は財産的価値が高く,蓄電も可能なので,社会的に物として扱うのが妥当。
Q,注文した料理と違うものが出てきたけれど,食べ終わるまで気がつかなかった場合,料金を払う必要があるか?
→ない。R)契約通りの料理の提供なし。違う料理につき承諾していない。
ただし,気づいて食べたのならば,支払う必要あり。
Q,「焼酎をロックで,濃いめで」と注文したら,会計で料金を3倍請求された。支払う必要ある?
→ない。メニューに明示されていたり,注文時に加算を告げられていた場合は,あり。
お開き編
Q,帰りにお会計。店員が勘違いしておつりを多く返してきた。金額が間違っていることに気づいたが,間違えたほうが悪いとそのまま受け取り帰った。これは罪になる?罪になるなら何罪?
→詐欺罪(刑法246条)。R)本当のことをわかっていて告げないのは,だましたのと同じ。
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