丹波通信1073 兄への手紙② 6月22日
お父さんはランチに行くくらいの女友達は居るけど、夜ご飯に行ったり、お酒を一緒に飲む様な事は無いな。お客様とは食事したりお酒を飲んだりはするけどな。しかし、それかて2ヶ月か3ヶ月に一度やな。彼女や愛人も居らん。人間は3つの事が同時には出来ないんや。『愛人が居て、家族に愛情を注げて、仕事がメッチャ出来る』と言う器用な男は、この世には存在せんらしい。
まだ ウチには弟と妹が居る。弟は獣医学部か薬学部に行くかも知れん。弟は今のままやと国立は無理やから私立になると資金が厳しい。で、妹は医学部目指してる。国立に行けたらええけどアカンかったら・・・。しかし弟が私立の獣医か薬学になったら妹の私立医学部は、かなり厳しい。お母さんから聞いてるみたいやけど、お父さんの今年の年収は去年の半分以下になるかも知れん。お前はお父さんがいつまでも収入ある・・・って思ってるかも知れんけど、医者や社長みたいにいつまでも高収入の人とは違うからな。
そりゃぁお前が高1から1日もサボらず、ズ~ッと勉強して現役で入った事は『凄い!』と思ってる。だからいつもお父さんは、家族にも、ヨソに行っても、お前の事を「あんなに努力する人間を今まで見た事が無い。アイツは偉い」 と公言してるんや。これは本音や。親のワシでもお前の今までの頑張りは頭が下がる。
で、褒美はお母さんに色々して貰ったんやろ。まぁ、今までお父さんは、お前らに「ウチは貧乏や」と言って、人並みな物を買い与えて無かったで。子供の時によく我慢してきたとも思う。しかし弟も妹も、今、我慢してる・・・と言う様には見えんな。物欲無いんやと思う。あとのあいつらの進路の事もあるから少し我慢せなアカン処は我慢しろ。今まで、お前には小さい時から「お兄ちゃんやねんから我慢しろ」と言う言い方は一度もしてない。その言葉で長男であるお前に我慢させるのは嫌やったから。
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