丹波通信796 お客様からの手紙Ⅴ(2001年頃)
拝啓 日増しに秋めいてくる今日この頃ですが、皆様お元気でお過ごしのことと存じます。私どももおかげさまで元気に暮らしております。字がきたないので、ワープロでのお手紙で失礼します。(丹波通信風ですね)
さて、突然のご退職に驚きと狼狽を隠せません。本当に本当にびっくりです。私にとっては、巨人の長嶋監督辞任以上のショックです。変な話ですが、六甲アイランドに住んでいる意味もなくなったと感じるほど呆然としています。
阪神大震災の後、リバーモールの仮設事務所で出会ったときのことは、今でも鮮明に覚えています。震災の少し前から、心機一転の場所としてRICがいいなあと考えており、震災後RICは全然死んでないと この目で見て 引っ越しを決めました。中嶋さんに、いくつかのマンションを紹介していただき、W5に入居することができました。結婚して子供も授かり、本当に幸せな日々を過ごしております。少し狭いと感じる以外は大変気に入っています。ちなみに、私たちは結婚の際、本籍地もここRICにしました。私の大阪の実家は売却してもう無いわけだし、心機一転の気持ちが強かったからです。家内はまだ気づいていないかもしれませんが、向洋町中5丁目5番地の5・5がGO!GO!というのも、決め手の大きな要因―中嶋さんとの出会いが、今の私たちの生活のスタートであったのです。
大袈裟すぎるかもしれませんが、こう感じているのは私だけではないと思います。不動産という大きな売買をするときは、それぞれの人の、それぞれの人生が動く大きな転機であると思います。(セカンドハウスのレベルの人は違うでしょうが…)その転機に関わる仲介業者は、もしかすると、結婚の仲人以上にその人たちの人生に影響を与える存在であるのかもしれません。少なくとも、中嶋さんは、そんな存在です。積和不動産のみならず、RICにとって本当に大きな損失であると残念でなりません。早く戻ってきてほしい気持ちが本音です。
六甲アイランドは私が言うまでもなく、これからが正念場であると思います。ポーアイを凌ぐ、夢の環境設備を整えた人工島。驚異的な倍率で人気が殺到したマンションの数々。(実は私は、全然知りませんでした。)バブルの好景気に支えられた初期。バブルの崩壊と阪神大震災。一転した不景気の中を低迷する日本経済。アオイヤの撤退のみならず、当初の予定から大きくずれてしまったRICは、それでも夢を追いつづけるRICでいられるのか?
中嶋さんの存在は、たぶん中嶋さんが思っている以上に大きいのです。丹波通信を楽しく読んでいた人はRIC内では、異常に多かったと思います。それは「心」を感じるからです。この街の最大の欠点は「心」を感じないことだと私は思っています。街並は、とても整備されており、道路やマンションもきれいです。リバーモール、せせらぎ、ランニングコース等、環境は抜群でしょう。ただ人情が薄いと言うべきか「心」を感じないのです。同じ建物に同居しているのに関係が希薄である。 それぞれのプライベート・独立性が重視されるマンションは、確かに昔の長屋とは異なる居住形態であるのは事実であるが、今後の人間社会において、コミュニケーションを新たに確率する必要のある最たるものであると思います。今、ITなる情報技術が人間の感情をはるかに越えて、猛スピードで進化しています。携帯電話やインターネット等も法令が追いつかないことをいいことに、無秩序・無節制・無道徳な悪影響が出てきました。「心」が置き去りにされると人間社会は崩壊です。ITはともかく、RICの住民は一私の独り善がりかもしれませんが―人情に飢えているのに、仮面をかぶって生活しているように感じるときがあります。中嶋さんは、この街で人情の表現が出来る貴重な存在です。子供たちが安全に暮らせるこの街は素敵です。しかし、道端に落ちているゴミを拾う子は(イベントのとき以外は)見たことがありません。清掃係の人がやるものと本心から思っているだけだと思います。正直に言うとエレベータでゴミが落ちていると、私も「ちゃんと掃除してほしい」と思うのが最初になっています。中嶋さんは、私とW3を見に行ったとき、さっと拾われましたね。誰にでもできそうで できないこと、言えそうで 言えないことが、中嶋さんの行動に現れ、丹波通信にもたくさん書かれていたのです。本当に返す返すも残念でなりません。
しかし、中嶋さんの人生です。電話でも言いましたが、人生は一度ですので、悔いの無いようにしていただきたいです。後悔しないということは、積和での実績や思い入れが大きかっただけに、ありえないかもしれませんが、それ以上の人生にするよう頑張ってください。中嶋さんのことだから、こんなこと言わなくてもご自身で決意されてるとはわかっているのですが、お金では買えない充実感と生き甲斐を目指して、情熱をもって次の仕事も頑張ってください。人間、一番大事なものは家族であり、プライドであると思います。
自分の感情に任せて、偉そうなことばかり(しかもワープロで)書きなぐって申し訳ありません。これからの中嶋さんと奥様、三人のお子様のお幸せを心からお祈りいたします。
また、お暇なときに、ぜひ一度飲みに来てください。
敬具
平成13年10月2日
北島
中 嶋 祥 人 様
原文のまま・・・実名承諾済みです。
今みたいに涙もろい・・・事の無い10年前の
私でも泣きました・・・。
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