丹波通信379 F氏の死

F氏は私の最も親しいお客様の一人でした。 年は私より少しだけお兄さん。 40歳代です。 F氏と私は不動産会社の時からのお付き合いでもう10年以上です。 一緒によく飲みました。 2人共いつも泥酔です。 F氏は酔うと私に必ずこう言ってました。 「中嶋さん、僕はネ・・・。食堂に入って隣りのオッサンがきつねうどん食うとったら、僕はカツ丼食べたいねん。僕はネ・・・キリギリスの一生でええねん。」

私「う~ん、私はかけうどんしか食べないですネ。うちの家族でセルフうどんに行くでしょ。全員100円のかけか、カケのWの200円です・・・絶対。子供も昔から、それが当り前で・・・。 さしずめ私は間違い無くアリでしょうネ。」 F氏「ふ~ん、でも金貯めてどうすんの? カンオケの中に持って行けんで!?」 私「イヤ・・・貯めるのが趣味では無いですヨ。3人の子供の教育費と老後資金が必要ですからネ。」

そのF氏が先日急死されました。 早過ぎます。 「本当にキリギリスの様な人生やったな・・・。」 生きたい様に生き、飲みたいだけ飲んだ・・・。 F氏にとっては悔いの無い人生だったかも知れません。しかし奥様とお子様が・・・。 晩年は酒も飲んで無かった筈なのに・・・。 今思うと私には心残りがひとつだけあります。 ある日、禁酒している筈のF氏から連絡がありました。 F氏「中嶋さん、久々に食事行きません?」 私「Fさん!飲んでるんですか?」 F氏「イヤイヤ、僕は飲まんけど中嶋さんは飲んでくれたらエエよ・・・。」 私「な~んや。でもFさん、私、酒飲まん女と食事すんのも嫌いやのに(冗談ですヨ)、何で酒飲まんオッサンとメシ食わなあきまへんの?(笑)」 F氏「ハッハッハッ~!」

F氏の奥様から亡くなった連絡を頂き、正直頭が真っ白になりましたが、私はその日の予定を数件キャンセルし、葬儀社と奥様とで打合せをして、翌日・翌々日の予定もキャンセルし、お通夜と葬儀の受付をかって出ました。 その後は奥様と一緒に当社の保険金請求、住宅ローンの団体生命保険の保険金請求、遺族年金申請、相続登記、その他打合せや手続きをしました。 そうしてようやく落ちついてから「F氏をしのぶ会」を参列者の方々(皆様私の契約者-生前F氏の紹介で)と致しました。 F氏の早すぎる死です。 

丹波通信

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